2018/11/11

場所によって異なる興奮性ニューロン

ニューロンは色々種類があるけれど、満遍なく存在するわけではないらしい。 というわけで、以下ざっくりとメモ。

ざっくり


Tasicらによると、マウスの脳の異なる領域にある興奮性ニューロンはタイプが異なるらしい[1, 2]。

Tasicらは、マウスの脳のAnterior lateral motor cortex (ALM, 運動野のどこか)とPrimary visual (VISp, 視覚野)を対象として、遺伝子発現プロファイルに基づいて細胞タイプを調べた。 そうしたところ、133個の細胞タイプが存在し、101個のタイプがALMに、111個のタイプがVISpにあることが分かった。そのうち、79個は両方の領域で存在することもわかった。

また、おおきく3つに分類すると、抑制(GABAergic)タイプが61個、興奮(glutamatergic)タイプが56個、ニューロンでないタイプが16個、となった。

これらのうち、興奮タイプのニューロンの大部分が上記2つの領域間で共有されていなかった。 抑制タイプの中には領域間で遺伝子発現が異なるものがあったが、統計的に異なるというには不十分であった([2]のFig.2 cを参照)。

ちょこっと計算


計算してみると、領域間で共有されていないタイプはALMでは22個、VISpでは32個あり、合計で54個となります。 共有の有無の基準は良く読まないとわかりませんが、この54個がすべて興奮タイプのニューロンだということのようです。[2]のFig.2 cを見ると、確かに興奮性のものばかり遺伝子発現に差異があるようです(図のDE genesはdifferentially expresed genesの略かな?)。

参考


[1] https://www.nature.com/articles/d41586-018-07027-3
[2] https://doi.org/10.1038/s41586-018-0654-5

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