2017年3月20日月曜日

初期の銀河にはダークマターが少ない

[1,2,3]によると、今の銀河にあるダークマターの質量に比べて
昔の銀河のダークマターの質量が少ない観測結果が得られたとのこと。
著者らが観測した銀河の赤方偏移zは0.9, 1.5, 1.6, 2.2, 2.2, 2.4。
距離はおおよそ100億光年(※1)。

現在の銀河はダークマターの影響により、中心部から一定距離離れると、
回転速度がおおよそ一定になることが知られている。
一方、昔の銀河は中心部から一定距離離れると回転速度が
低下していくことが今回観測された。

銀河の質量に占めるバリオンの量が多いと今回の観測結果が得られることから
ダークマターの割合が少ないことが分かる。


(※1) zからの距離換算は例えば、
http://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/2003/pdf/200312art5.pdf
の図4を見ればよい。

参考文献
[1] R. Genzel et al., "Strongly baryon-dominated disk galaxies
at the peak of galaxy formation ten billion years ago," doi:10.1038/nature21685, 2017
[2] M. Swinbank, "Distant galaxies lack dark matter," Nature 543, 318-319, 2017
(doi:10.1038/543318a) ([1]の解説記事)
[3] http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/pr-highlights/11726 ([1]の解説記事)

2017年3月6日月曜日

第二言語の習得能力と遺伝

[1]によると、「第二言語の習得能力は遺伝の影響が強い」そうです。

残念ながら、この根拠となる「一卵性双生児を用いた慎重な調査」の
文献のリファレンスが記載されておらず、真偽はよくわかりません。

それっぽいものは見つけられませんでしたが、[2]経由で見つけた[3]によると、
「Statistical modeling revealed that subjects' grades in the language immersion program were best predicted by fractional anisotropy and COMT genotype.」
とのことですので、第二言語の習得能力はCOMT遺伝子に影響を受けるようです。


参考文献
[1] 池谷裕二, "怖いくらい通じるカタカナ英語の法則," ISBN978-4-06-257987-2, 2016
[2] http://www.kagaku-kentei.jp/news_detail/data/278
[3] Ping C. Mamiya, Todd L. Richards, Bradley P. Coe, Evan E. Eichler, and Patricia K. Kuhl, "Brain white matter structure and COMT gene are linked to second-language learning in adults," PNAS 2016 113 (26) 7249-7254, published ahead of print June 13, 2016, doi:10.1073/pnas.1606602113