クリスピーじゃなくてCRISPR-Cas9(クリスパーキャスナイン)という遺伝子編集技術をつかった様々な結果をこれまで目にしていたのですが、なにか良く分からないが遺伝子を編集できるんだな、という以上の知識はありませんでした。偶然、書店で平積みされていた「CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見(ISBN978-4-16-390738-3)」というタイトルのハードカバーの書籍を見つけ、CRISPR-Cas9を見つけた主要な科学者が著者だったので、購入。翻訳本なので、1年くらい前に元の書籍は発売されていた模様。
全体が物語風味で構成されていますが、専門家ではない人にも技術の内容が分かりやすい構成になっています。第3章までが基礎技術部分の解説で、CRISPR-Cas9がDNAを目的の位置で正確に切断する原理が説明されています。第4章は、CRISPR-Cas9の切断能力をベースにした遺伝子編集技術の解説、それ以降は、すでに実施された様々な応用例と、倫理的な問題についての議論が書かれています。 以下はこの書籍を読んでいる最中にとった専門外の人間のメモなので、そのまま信じないように。ググって見つけたものを真に受けてはいけません。遺伝子関連の言葉
まず、ゲノム∋遺伝子∋塩基対 という関係があります。また、
塩基={A, G, C, T}≒ヌクレオチド 塩基対={A=T, C=G} ヌクレオチドの列=遺伝子=タンパク質=アミノ酸の列 ゲノムの大きさ=塩基対の長さ とのこと。塩基に色々くっつくとヌクレオチドになるらしい。
遺伝子が翻訳されてタンパク質になるので、1対1に対応している。
遺伝子のサイズ
遺伝子の大体のサイズが記載されていたので、表にしてみました。名前 | 遺伝子の数 | 塩基対の数 |
ウイルス | 数個 | 数千個 |
細菌 | 約4,000個 | 数百万個 |
ハエ | 1万4千個 | 数億個 |
ヒト・ネズミ・蛙 | 21,000個(*1) | 32億個 (*2) |
サラマンダー | (*1)の10倍 | (*2)の10倍 |
一部の植物 | (*1)の100倍 | (*2)の100倍 |
ミトコンドリア | ? | 16,000個 |
(*2)このうちの8%(2億5千万個)が人類の祖先がレトロウイルスに感染した名残
おおよそ、ひとつの遺伝子は数千個~1万数千個の塩基対で構成されているようです。アミノ酸が何個の塩基対で作られるかは、この書籍には記載がありませんでした。本題からはずれるのでなくても不思議ではありませんが。
さて、ここからCRISPRに行き着くまでが遠いのですが、遺伝子治療と呼ばれていた遺伝子を挿入する技術とCRISPR-Cas9を使った編集技術は全く異なり、少なくとも細菌の遺伝子を書き換えるときの正確性は極めて高い技術だということです。ただし、人間やサルやマウスの場合は、CRISPR-Cas9を個々の細胞にまで届けないといけないので、色々課題が残っているようです。
0 件のコメント :
コメントを投稿